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【マステ劣化の科学】糊の寿命と変色を防ぐ最適解!コレクション保存の正しい知識

チェック・方眼系 シール

 

「Stationery♥Log」(ステーショナリー♡ログ)にお越しいただきありがとうございます。

 

今日のテーマは「マスキングテープコレクションの保存(基礎編)」についてです。

 

マスキングテープのコレクターにとって、新品のままの姿で保管された美しいロールは、デザインと価値が詰まった大切な宝物です。しかし、時間が経つと「糊がベタつく」「柄が変色する」といったトラブルが起こります。

 

この記事では、「新品のままの姿でコレクションを守りたい」というコレクターの願いを最優先に、マステの劣化の科学的なメカニズムを解き明かし、その価値と寿命を最大限に守るための正しい保存知識をご紹介します。

 

※この記事では、マステを「単一の素材」と仮定した場合の「共通の保存法」を解説します(基礎編)。劣化の「原理(基礎)」を知りたい方向けの記事です。

 

※マスキングテープの中で、最も一般的で基本的な「和紙テープ」を代表と見なし、素材による特殊な違いを考慮しない「普遍的な原則」について書いています。

 

※なお、「マスキングテープに字が書けるペン」については、↓こちらのページで書いています。

字を書くとはじく?マスキングテープに字が書ける油性ペン|4種類を比較
「Stationery♥Log」(ステーショナリー♡ログ)にお越しいただきありがとうございます。今日のテーマは「マスキングテープに字が書ける油性ペン」についてです。マスキングテープには色々な種類のものがありますが、ペンがはじいてしまうことっ...

 

1.コレクターの葛藤:「新品のままの姿」を守る難しさ

パステル系

 

マステコレクターが抱える最大のジレンマは、「そのままの美しさ」「機能的な保存」の両立が難しいことです。

 

  • 審美性(美しさ): デザイナーが意図したロール状の完璧なビジュアルを崩したくない。
  • 機能性(保存): ロール状で巻かれたまま放置すると、糊の劣化(固着・変色)が最も進みやすい。

 

この葛藤を解決し、「新品のままの姿」を少しでも長く保つためには、次の章で解説する劣化の科学を知り、「環境」と「物理」の二層の対策を講じる必要があります。

 

2.マステ劣化の科学:新品状態でも逃れられない二つの変化

ゴールド・シルバー系

 

マステの寿命は、その素材(和紙と粘着剤)が「生きた高分子」でできていることに大きく左右されます。「新品のパッケージ内」であっても、以下の化学的・物理的な変化はゆっくりと進行します。

 

劣化の主な原因 現象 科学的な理由(不可避の変化)
経年による分子変化 糊の硬化ベタつき(自己癒着) 粘着剤の分子が時間と共に他の分子と結合しようとし、粘着面と裏面が固着しやすくなる現象(自己癒着)が起こります。これは未使用のロールでも進行します。
紫外線(光)の影響 変色黄変粘着力低下 光エネルギーが粘着剤や和紙の色素を化学的に分解・変化させます。特に糊の主成分が黄変し、テープ全体を黄ばませる原因となります。

 

3.コレクションを守る「二層の防護対策」

極細系

 

新品のままの姿を守るためには、「化学的な劣化(温度・湿度・光)」「物理的な劣化(圧力)」の双方から守る「二層の防護対策」が不可欠です。

 

(1)第一の対策:環境の数値管理(化学的劣化の防止)

 

要素 最適な管理数値 理由
温度 年間
18°C~22°C
粘着剤の軟化や流動を防ぎ、化学反応の進行(劣化)を遅らせます。特に夏場は25°Cを超えると急激に劣化が進みます。
湿度 年間40%∼55% 低すぎると紙が脆くなり、高すぎるとカビや糊の吸湿を招きます。日本の梅雨時など、除湿が非常に重要です。
光(紫外線) 完全な遮断(暗所) 変色・黄変の最大の原因です。光が当たる場所は避け、紫外線カット対策を徹底します。

 

(2)第二の対策:物理的な圧力の排除(「新品のままの姿」の維持)

 

対策 目的 実践方法
圧力の完全排除 固着・圧着の防止 ロールを平積みせず、必ず立てて保管します。ロール自身の重みや側面からの圧力を排除します。
間隔の確保 自己癒着の遅延 ロール同士が触れないよう、硬い仕切りや個別ケースに入れます。物理的な接触を防ぐことで、自己癒着の進行を遅らせます。
収納場所 温度変化の回避 窓際や家電の近くなど、急激な温度変化がある場所は避け、環境が安定した押し入れや棚の奥を選びます。

 

4.正しい知識に基づく実践的な保存のヒント

その他

 

マスキングテープの保存は、高価な設備がなくても、日々の心がけでコレクションの原型を長く保てます。

 

(1)収納場所の決定: 窓のそば、ストーブの近く、水回りなど、温度・湿度の変化が大きい場所は絶対に避けましょう。押し入れの上段など、比較的環境が安定している場所を選びます。

 

(2)ロールの美しさを守る仕切り: 個別ケースや、硬質プラスチックの仕切りを利用し、ロール同士の接触を防ぎます。これが新品のままの姿を保つための物理的な防御となります。

 

(3)UVカット収納の選択: 新品のままの姿を飾りたい場合は、UVカット機能付きのアクリルケースを利用しましょう。直接光を遮断できなくても、有害な紫外線だけはカットできます。

 

(4)乾燥剤の活用: 収納ボックスには「シリカゲル(乾燥剤)」を入れ、湿度をコントロールします。ただし、乾燥させすぎると紙が脆くなるため、定期的な交換が必要です。

 

(5)最終手段の検討: もし糊のベタつきや固着が始まってしまったら、「これ以上劣化させない」ための最終手段として、早めに「リフィル(見本帳)」に貼り替えることを検討しましょう。これは、ロールのストレスからテープを解放し、長期保存を優先させるための賢明な選択です。

 

※↓評判の良いブックタイプ」のマスキングテープケースです。

 

5.マスキングテープコレクションの保存まとめ

まとめ買い

 

マスキングテープは、かわいらしいデザインのものも多く、1つ1つがお手頃価格なので、ついつい集めてしまいますよね。

 

そんなマスキングテープですが、そのコレクションは、単なる紙のテープではなく、あなたの「価値観」「趣味の歴史」が詰まった大切な宝物です。

 

その新品のままの姿と価値を少しでも長く保つためには、愛情だけでなく、劣化の科学を知り、「環境」と「物理」の二層の対策を講じる正しい知識が不可欠です。

 

今日から、あなたのコレクションルームを「小さな美術館の保存室」だと思って、適切な環境づくりを実践してみてください。

 

※ちなみに、画像に載せているマスキングテープは、私がコレクションしている中の「お気に入りのマスキングテープコレクション」を撮ってみました!

 

文房具って本当に良いものですね♡

 

以上、「【マステ劣化の科学】糊の寿命と変色を防ぐ最適解!コレクション保存の正しい知識」についてでした。

 

「Stationery♥Log」(ステーショナリー♡ログ)をご覧いただきありがとうございました♡

 

※↓評判の良いブックタイプ」のマスキングテープケースです。

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