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今日のテーマは「クレヨラ vs クーピーペンシル」についてです。
前回までで、クレヨラクレヨンに隠された歴史と哲学を深く掘り下げてきました。今回は、視点を変えて「実用的な画材としてのクレヨン」をテーマに、大人にとって身近な二大アナログ画材を徹底比較します。
比較するのは、アメリカの「クレヨラ(Crayola)」と、日本の「クーピーペンシル(Coupy-Pencil)」です。どちらも「軸全体が芯で構成された、クレヨンに似た棒状の画材」という共通の見た目を持ちますが、その正体は全く異なります。
この「似ているけれど全く違う」二つの画材を、大人の塗り絵やアート活動における「汚れにくさ」、「表現力」、「利便性」という実用的な観点から徹底的に使い分けます。
※↓「クレヨラ」クレヨンの基本の「24色セット」です。
※↓「クーピー」のスタンダードな「12色セット」です。
1.比較の前提:素材の違いが全てを決める

クレヨラとクーピーペンシルは見た目が似ていますが、クレヨラとクーピーペンシルの違いは、その「主成分(素材)」にあります。この構造的な違いこそが、両者のあらゆる特性を決定づけています。
| 画材名 | 主成分 | 質感・特性 |
| クレヨラ | ワックス(蝋)と油分、顔料 | クレヨンに近い質感。鮮やかな発色、油分による混色性。手や紙を汚しやすい。 |
| クーピーペンシル | 特殊な樹脂(プラスチック)と顔料 | 色鉛筆に近い質感。芯が硬く、折れにくい。汚れにくく、消せる。 |
結論: クレヨラは「クレヨン(油性パステル)」の進化形であり、クーピーは「色鉛筆」の芯を太くした進化形である、と捉えると理解しやすくなります。
2.大人目線で徹底比較!4つの実用性チェック

画材を使う大人にとって重要な「作業の快適さ」と「作品の仕上がり」に焦点を当て、具体的な項目で両者を比較します。
(1)発色と表現力:鮮やかさ vs 細密性
| 項目 | クレヨラ | クーピーペンシル | 結論 |
| 鮮やかさ | 非常に高い。ワックスの油分により、色が濃く、大胆に紙に乗る。 | 普通。色鉛筆に近い発色で、透明感がある。 | ベタ塗りや大胆な表現ならクレヨラ。 |
| 細密性 | 低い。ワックスが柔らかく、広い面を塗るのに向く。細かい描写は難しい。 | 高い。芯が硬いため、細かい線や描写が可能。 | 繊細な描写や輪郭線ならクーピー。 |
| 混色 | 得意。油絵の具のように、色を重ねることで厚みのある混色表現が可能。 | やや苦手。色鉛筆のように、重ね塗りによる混色表現が基本。 |
※↓「クーピー」で重ね塗りをしたい場合は「カラーオンカラー」タイプがあります。
(2)利便性と強度:折れにくさ vs 携帯性
| 項目 | クレヨラ | クーピーペンシル | 結論 |
| 芯の強度 | 低い。ワックスが主成分のため、強い筆圧で折れやすい。 | 非常に高い。樹脂素材のため、強く押しつけても折れにくい。 | 持ち運びや筆圧が強い人はクーピー。 |
| 消去性 | 不可。油分が紙に染み込むため、消せない。 | 可能。樹脂成分のため、市販の消しゴムで消すことができる。 | 修正のしやすさを求めるならクーピー。 |
(3)快適性:汚れにくさ
大人にとって最も重要かもしれないのが、「手や作業場所を汚さないこと」です。
クーピーペンシル: 芯の表面が樹脂で比較的硬く、描画中に指や手が紙面、特に描画面に触れても色が移りにくいため、作業が快適に進められます。
クレヨラ: ワックスと油分を多く含むため、触れた部分(手、描画中の紙の端)に色が移りやすく、注意が必要です。
(4)紙への定着力と保管
| 項目 | クレヨラ | クーピーペンシル | 結論 |
| 定着力 | やや弱い。油分があるため、重ねた紙に移りやすい。 | 高い。樹脂成分が紙面にしっかり定着する。 | 長期保管やスケッチブックにはクーピーが安心。 |
※↓「クレヨラ」クレヨンの基本の「24色セット」です。
※↓「クーピー」のスタンダードな「12色セット」です。
3.結論:大人目線で「手軽なアナログ画材」を使い分ける

どちらの画材も魅力的ですが、あなたが何を重視するかによって選ぶべき「アナログ画材」は変わってきます。
(1)こんな人には「クレヨラ」がおすすめ
クレヨラは、ワックスによる大胆な表現と色のエネルギーを求める人に最適です。
☆表現の深さ: 鮮やかな発色と、複雑な色を絵の具のように混ぜる本格的な表現に挑戦したい。
☆表現の解放感: 細かいことにこだわらず、広い面を一気に塗りつぶす解放感を味わいたい。
☆用途: 厚めのスケッチブックでのラフなドローイング、色を主役にした表現。
(2)こんな人には「クーピーペンシル」がおすすめ
クーピーペンシルは、作業の快適性と線のコントロールを重視する大人のニーズに応えます。
☆利便性: 手を汚さず、描いた線が定着しやすく、折れにくい快適な作業環境を重視したい。
☆修正の容易さ: 間違いを消しゴムで直したい、細密な描写や下書き線をしっかりコントロールしたい。
☆用途: 大人の塗り絵(特に細かい柄)、手帳への書き込み、繊細な色鉛筆的な表現。
(3)まとめ:素材を知れば使い分けは完璧
クレヨラとクーピーペンシルは、見た目が似ていても、その本質は「ワックスの自由さ」と「樹脂の制御性」という全く対極にあります。
大人として、その素材の違いを理解すれば、どちらの画材も「手軽なアナログ画材」として最大限に活用できます。ぜひ、あなたの求める表現や作業環境に合わせて、最適な画材を選び、アートライフを楽しんでください。
以上、「【大人目線】クレヨラ vs クーピーペンシル!最適な「アナログ画材」の選び方」についてでした。
「Stationery♥Log」(ステーショナリー♡ログ)をご覧いただきありがとうございました♡
※↓「クレヨラ」クレヨンの「64色セット」です。
※↓日本で一般的に販売されているセットの中では「120色セット」が一番色が多そうです。
※↓おしゃれな収納の「キューブボックス」タイプのクーピーです。
※「クレヨラ」については全4記事書いています。本記事は「3記事目」です。
| 順序 | 記事のタイトル | 記事の役割 | 記事と思考の対応 |
| 1 | 【歴史と裏側】世界一の定番「クレヨラ」クレヨンが100年愛される秘密 | 導入・ブランドの魅力 | Why? (なぜクレヨラは世界一なのか?) |
| 2 | 【色名に隠された哲学】クレヨラ152色の世界!伝説の「肌色」を変えたトリビア | 知識・文化的な深掘り | What’s the philosophy? (色名や歴史に隠された哲学は?) |
| 3 | 【大人目線】クレヨラ vs クーピーペンシル!最適な「アナログ画材」の選び方 | 実用・比較検討と選定 | Which one? (結局、大人にはどれがベストなのか?) |
| 4 | 【知ればもっと面白い】クレヨラで楽しむ「色の科学実験」ワックスの現象と応用術 | 応用・科学的なロジック | How does it work? (なぜ水が弾かれる?仕組みは?) |
※↓「クレヨラの1記事目」です。

※↓「クレヨラの2記事目」です。

※↓「クレヨラの4記事目」です。









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